| 工作種別 | 復縁工作 |
|---|---|
| 依頼者情報 | 埼玉県在住36歳女性 |
| 対象者情報 | 埼玉県在住41歳男性 |
| 契約期間 | 2カ月 |
| 料金総額 | 110万円 成功報酬10％ |
案件概要：復縁工作
3年間同棲していた男性が出て行ってしまった。
きっかけは生活費を巡る口論からで、依頼者様の「お金はもう出せない」という発言がきっかけだと思われる。対象者が去った後の喪失感からか寂しくなったようで対象者に戻ってきてほしいという依頼である。
相談の経緯
彼とは4年ほど前に友人の紹介で知り合いました。
その後すぐに同棲を始めて3年以上生活を共にしました。
当時、私のお給料はとても良く一人暮らしにはもったいないくらい大きな家に一人で住んでいました。
女性一人でそんなに大きな家だと不用心だということで同棲することになりました。
彼はそれまで住んでいた家を引き払い私の家に来たという形です。
家賃や生活に関わる費用は折半ということに決めて、最初のうちは決めたとおり半分払ってもらっていました。同棲をして半年ほど経過した時に、彼が突然仕事を辞めてしまいました。
会社とトラブルになったと言っていましたが詳しくは聞いていません。
そのことで彼は収入がなくなってしまいました。
しばらくは派遣の仕事を掛け持ちして働き生活費を払ってくれていましたが、過労のためか倒れてしまい数日間入院をすることに。
私はその頃には結婚を意識していたので
「無理しないでまずは体を治そう」
「お金の心配はしなくていいよと」
と伝えました。
今思えばこれがいけなかったのかもしれません。
その後、体は回復して退院しました。
でも、いつになっても就職はせず、生活費も一切出すことがなくなり、毎日家でのんびりと過ごすだけになってしまいました。
そんな状態でも私に対してとても優しく、気遣いもしてくれているので「今は充電期間なのかな」と甘い考えで過ごしていました。
そんな生活が2年ほど続きました。
その間に幾度となく結婚や将来についての話をしていましたが「今は結婚するべきじゃない」とか「仕事が見つかってから」などはぐらかされていました。
突然の別れ
3カ月前くらいにようやく彼の仕事が決まりました。
勤めるようになり「ようやくかな」と思ったのですが、お給料が出ても生活費は入れてくれません。
それどころか出費が増えるようになりました「同僚と飲みに行くからお金ちょうだい」とか「携帯代を貸してくれ」など以前にもまして金銭を要求されるようになりました。
私はそこそこの収入があるので渡していましたが、つい先日「いい加減にして、そんなにお金は湧いてこないのよ」と言ったら黙り込み「もういいや、それなら出ていくよ、別れよう」とあっさりと別れを切り出されました。
その時の彼は顔も声も非常に冷めていました。
あの時の「見下している」ような視線は今でも忘れられません。
その時は私も感情的になってしまい「今まで払ってくれなかったお金は払ってから出て行って」と言いましたが彼は無言で部屋に引きこもり、翌日には自分の荷物だけをもって出ていきました。
いなくなってから寂しさと共に後悔の念が出てきて「なんてことを言ってしまったんだろう」「もっと落ち着いて話せばよかった」などと考えて彼に連絡を入れましたが電話には出ず、LINEも既読になりません。
LINEの方はブロックをされているようです。ショートメールや留守番電話に入れても返事はなく。
どこにいったかもわからない状態です。
実家は分かるので連絡したり行ったりもしたのですが両親は帰ってきていないと言っていました。
紹介してくれた友人にも連絡は取れますが、その人も彼がどこに行ったかは分からないとのことです。
私の希望はもう一度会って話をしたい
復縁ができるのならば復縁したい
ここまでされて馬鹿なのか？と思われるかもしれないですがどうしても復縁したいんです。
今現在は居場所も何も分からない状態ですがなんとかできないでしょうか？
復縁工作の相談を受けて
依頼者様の話では対象者は甘い汁だけ吸うだけ吸って家を飛び出したという印象でした。
それにも関わらず対象者と復縁したいという依頼者様の心境は理解できませんでした。
さて、工作を始めるには対象者の所在を把握するところから始まります。
大体のケースでは対象者の所在は分かっている状態ですが、今回は確定できていません。
そのため対象者の所在の調査から開始することになります。
対象者は荷物を全て持ち出しをしているとのこと、まずは依頼者様の心当たりがある場所を探すことになる。手掛かりになるものとしては
・対象者の実家
・親戚や友人宅も何件か把握している
この中で対象者と現在も連絡を取っているだろうと思われる人物もいるということでした。
対象者の所在確認後は工作員を接触させてから工作を進めていく等の話をしました。
不躾ながら話の途中でも「なぜそこまでされた相手と復縁をしたいのですか」と聞いたものの明確な回答は得られませんでした。
失ってから始めてその存在感の大きさを知ったということは良くあります。
依頼者様自身でもそれが理由なのか分かっていない状態でした。
まずは対象者の所在を確認してから具体的な段取りを組んでいきましょうということで、一旦対象者の行方を探す契約をいただきました。
契約後に依頼者様より連絡があり、対象者はかなりのコミュ障であるため工作員の接触が難しい可能性があると言われる。
復縁工作前の調査開始
対象者はこれまでの数年間勤務していなかったため現金はほとんど持っていないだろうとのこと
このことから
①実家に戻っている
②友人宅に転がり込んでいる（別の女性の可能性もあり）
③住み込みの仕事をしている
のいずれかになると思われる。
依頼者様が言うには転がり込めるような友人や恋人の存在はいなかったはず・・・確信はないが
また、知らない土地に一人で行けるような人でもないとのこと。
直近の職場で勤務中に新しい人間関係ができていてもおかしくはない、出費も増えていたので女がいてもおかしくはないとのこと。
実家に関しては両親との仲は良く頻繁に帰っていたようである。
依頼者様の予想では実家にいると考えている様子。
上記の点から、まずは対象者の実家から調査を開始することにする。
調査開始初日
対象者実家から調査を開始する。
対象者実家は戸建てで相当な広さがある。
午前中に両親と思われる人物を確認するが対象者を確認することはできず。
昼頃に宅配が届き誰かしらが受け取るのを確認する。
姿は見えなかったため受け取った人物が対象者か不明である。
依頼者様の話では、実家には両親以外誰も住んでいないはずとのこと、そのため先ほど受け取った人物は対象者と推定する。
夕方頃に両親が帰宅する。
それと入れ違いで対象者が家屋から出てくるのを確認する。
対象者は実家から出た後、徒歩で最寄り駅方面に向かう。
対象者が駅前にあるパチンコ屋に入っていくのを確認する。
1時間ほどで対象者が一人で店内から電話をしながら出てくる。
電話をしながら自宅方面に歩いていき、途中コンビニに寄った後に実家に戻る。
対象者の所在に関して依頼者様に報告をすると、少し安心したようである。
「今後も宜しくお願いします」とのことなのでそのまま調査を進める。
次は対象者への接触ポイントの選定である。
2日目～3日目
2日目は外出なしで終了となる。
この日も出前は取った様子。
3日目は午前中から外出し、初日に行ったパチンコ屋に入店する。
対象者が2時間ほどで外に出てくる。
パチンコ屋を出た後、道路の反対側にあるファミリーレストランに入店する。
3時間ほど経過して出てくるが一人ではなく三人で出てくる。
対象者他二名は男性である。
他二名の写真を依頼者様に見せると、一人は対象者を依頼者様に紹介をしてくれた共通の友人とのこと。
現状、依頼者様とこの人物（以下友人Aと記載する）は現在も連絡は取れる間柄であるが、対象者のことは伏せられている様子である。
依頼者様より「対象者との接触が困難な可能性がある」と聞いているので以降は対象者ではなく他二人の男性を追跡して所在の確認を行う。
依頼者様からの連絡と方針の転換と復縁工作の開始
3日目の報告をした後に依頼者様から接触する相手を対象者ではなく友人Aにしてほしいと連絡が来る。
担当者が話を聞くと依頼者様は復縁を望んでいるが、すでに対象者は依頼者様に対して愛情などはなく、お金が無くなり利用価値がなくなったので私を捨てた、私が一生懸命自分を変えたところで対象者の気持ちは戻って来ない。とのこと
「それよりも私がお金を持っている、ということを友人A経由で伝えた方が、私の元に戻ってくる可能性が高い」とのこと。
一旦戻ってくれば後は自分でなんとかしますということなので、この提案を前提に進めることにする。
工作員の接触
方針転換を受けて、工作員は依頼者様の会社の後輩という立場で、依頼者様と工作員が一緒にいる時に友人Aと接触をさせることにする。
今回の工作員は依頼者様と同年齢位の女性を起用する。
コミュニケーション能力と洞察力に優れている女性である。
臨機応変の対応が得意なため今回のようにチャンスが少ない現場に強い。
依頼者様と工作員は友人Aが駅で電車を待っている時に接触をする。
依頼者様が「久しぶり！」と声をかけ友人Aが応じると工作員を紹介する。
友人Aは少し意外そうな顔で依頼者様を見てから工作員に挨拶を返す。
３人での会食
大量の袋を持った依頼者様と工作員は食事に友人Aも誘う。
工作員が「今日は先輩のおごりなんです♪遠慮しないでいただいちゃいましょうよ」
ということを話すと友人Aもその気になったようで一緒に行くことになる。
3人は駅近くの少し料金設定の高いレストランに入る。
友人Aが「今日は何かのお祝いなの？」と聞くと工作員は「いつもご馳走になってます」と依頼者様に甘えるように笑顔を向けぺこりとお辞儀をする。
その日は対象者に関する話題は一切出さず工作員と友人Aが連絡先を交換して、「またご飯行きましょうね」という形で別れる。
会食が終了した後に、依頼者様から友人Aに「今日は無理矢理付き合わせてごめんね」という連絡を送ると友人Aからも「こちらこそご馳走様でした」と返信が来るが、この日はここまでで止める。
工作員から友人Aへの仕掛け
初回接触の翌日に工作員も友人AにLINEを送る。
友人Aも返信を送ってくる。内容自体には意味はなく、アニメや映画の話、仕事の話である。
取るに足らないやり取りを繰り返して工作員と友人Aは打ち解け、また食事に行こうねという話になる。
後日、工作員と友人Aが食事に行くことになる、工作員は依頼者様も呼びましょうよということで依頼者様にも参加をしてもらうことに。この日も依頼者様がご馳走するという形を取り料金設定が高めの店に行く。
会食後、帰宅した工作員と友人AがLINEのやり取りをしていると「〇〇さん（工作員）は◇◇さん（依頼者様）のこと大好きなんだね」とのメッセージが来る。
これに対して工作員は「いつも優しいし、ご馳走してくれるし、旅行とかも連れて行ってくれるし、誕生日の時なんてとっても高いものもらっちゃって。とっても大好きです」と回答する。
友人Aが「そんなに稼ぎがいいのか、羨ましいな」と返すと「なんかお金持ちなんですよね。【宝くじが当たったの】とか【相続したの】とかごまかすんですけど」「たぶん9桁はありますよ」「こないだコンビニで引き出ししている時に残高見えちゃったんですよね、てへ」と工作員は友人Aに伝える。
言うまでもなくこれが今回の仕掛けである。
友人Aから対象者への情報の伝達
依頼者様の資産状況に関しての仕掛けを友人Aが対象者に伝えるかどうかは友人Aしだいではある。
友人Aと対象者の信頼関係や友情を考慮すると対象者に伝える可能性が高いと思われる。
毎日パチンコ三昧の対象者の現状については友人Aも心配していると思われる。
ただ友人Aは対象者がひどい形で家を出たというのを知っている、到底復縁なんてできないだろうと思っているはずでもある。
また伝えたとしても、対象者も復縁できるなどとは思っていないはずである。
のこのこ依頼者様の前に出てくるとは考えづらい。
そのため依頼者様に一押ししてもらうことに。
依頼者様は友人Aに対象者に対する未練をそれとなく伝える。
【今どうしているのかな】【寂しいな】【会いたいな】【戻ってきて欲しいな】など友人Aとの会話に織り交ぜていく。依頼者様が対象者に対して、まだ好意を持っていると友人Aに思わせるためである。
対象者もこれを聞けば依頼者様に連絡を入れやすくなると思われる。
対象者からの連絡
依頼者様が対象者に対する未練を友人Aに言うようになってから一週間ほど経過した時、依頼者様に対象者から連絡が来る。
「突然飛び出してごめん、自分の不甲斐なさにあきれて逃げてしまった、許してもらえるなら戻りたい」
とのことである。
連絡が来るまで思った以上に時間が経過していたので、次の手を打とうかと検討していた時であった。
復縁を希望している依頼者様はもちろん【許し】と【承諾】のメッセージを送りました。
文章の内容は伺っていないですが【私も寂しかった】【元気にしていた？】【いますぐ会いたい】くらいで送ったとのことでした。
復縁工作の成功
承諾のLINEの翌日には、手荷物だけ持って対象者が現れたと依頼者様から電話で報告をもらいました。
「今回ありがとうございました。思った以上に早く終わったので助かりました」とのこと。
電話越しの声はとても冷めていました。
復縁が成った後にここまで冷めていた依頼者様は記憶にないことです。
今回の復縁工作は普段の復縁とは違う目的なのだろうとは途中で感じていました。
その為これから何が起こるのかもある程度は想定できます。
これから対象者に起こる事態は自業自得なので同情の余地はないです。
しかし復縁が成功した後には幸せそうな依頼者様の顔を見ながら、おめでとうございますと伝えたいものです。
復縁工作終了その後に訪れたこと
復縁工作終了から1か月後、依頼者様から再度のご連絡をいただきました。
その後の顛末は気にっていたので「ぜひお話を聞きたいです」と伝えたところご来社いただきました。
「先日、対象者を家から叩き出してやりました」
想定はしていましたが、多少の驚きとともに「何があったのですか？」と伺うと
「ただ、思いっきりふってやっただけです。戻ってきて少ししたら相手から結婚の話をしてきたんですよ」と依頼者様がはなし始めました。どんな話かと聞いてみると結婚の話はそこそこで切り上げ、対象者は今の職場はテレワークができるから家で仕事をしようと思う。だからパソコンやモニター、デスクなどなど、なぜかゲーム機まで買いたいとか、おねだりをしていたようでした。
他にもベッドやソファや大型テレビなどこれは実家に置きたいとか言っていたそうです。
「結婚するならうちの親も大切にしてほしい」と言うことだそうです。
依頼者様は何も言わずニコニコと話を聞いていたそうです。
心の中でこいつはバカなのか？と思いながら聞いていたそうです。
依頼者様の要望
そして、一通り相手の要求が済んだ後に依頼者様は対象者に、私は指輪が欲しいと言うことと、これまでの生活費も清算してほしいと伝えたようです。
自分の両親が一旦は逃げてしまった対象者の人柄に疑いを持っている、私の両親も安心させてほしいと言ったようです。
対象者は少し考えて「結婚したら財布は一緒なんだから君が立て替えてくれないか？」と言ってきたので危うくひっぱたくところだったとのことです。
後日、相手の両親を巻き込んで同じ要求をしたところ、結婚後に美味しい思いができる未来を予想してか相手の両親は「お前が払わなかった生活費なんだからちゃんと払いなさい」と対象者に言い、対象者はしぶしぶ払うことに同意したようです。
かなりの金額だったそうですが、会話の翌日には現金一括で払ってくれたそうです。
きっと親が出したのでしょう。
また、指輪も一緒に買いに行ったようです。
つまらなそうにしている対象者をからかうように何か所もお店を回って、うんざりした対象者を見るのが楽しかったと言っておりました。指輪はとても高くて良いものを買ってもらったようです。
これも両親が出したのでしょう。
依頼者様の本当の狙い
無事、生活費の清算（実際の金額よりもはるかに高く伝えた様子）と指輪を手に入れた依頼者様は対象者を家から追い出したようです。
理由は【言っていることがむかついたから】とのことでした。
その日は「いつパソコンを買いに行く」という話を延々としていたそうでむかついたらしいです。
そんなに欲しいなら自分で働いて買え、そもそも仕事していないのに何がテレワークだとも言ったようで、即日追い出したようです。
翌日、相手の両親が家に来てしまい話し合いになったそうですが、ここは依頼者様が上手のようでした。
相手方を外で待たせて自分の両親を呼び、両家総出での話し合いに持ち込んだようです。
その席で対象者が仕事もせずに数年間ヒモのような生活をしていたことや、依頼者様がお金を出さないといった時点で捨てて去ったこと、依頼者宅を出て実家に帰っていたことを両親は依頼者様に隠していたことなどを追求したようです。
この点では、相手は何も言えなかったようです。
それでも相手方は結婚しないなら婚約指輪を返せと言ってきたそうですが
「婚約指輪？何の話ですか？あれは私に対するお詫びのプレゼントでしょ？婚約指輪が欲しいなんて誰が言ったの？逃げちゃうような人と結婚なんてするわけないじゃないですか？私が一度でも結婚したいなんて言った？」
その後も相手方はあーだのこーだの言っていましたが「証拠がないでしょ」の一言で片づけたらしいです。
依頼者様の笑顔
「なるほど、これがやりたかったのですね」
心の底から感嘆の声が出ました。
「すいません、気分悪いですよね？本来の復縁とは違いますし」
「いえいえ、そんなことはありません、お見事でした」
本当に見事でした。
失った時間は戻せません、しかし失った金銭は取り戻せた。
そして、失った笑顔も取り戻せたようです。
嬉々として話す依頼者様の笑顔はとても良いはつらつとした笑顔でした。
依頼者様が次こそは良い縁に巡り合えることを祈りつつ、本案件が真の終了を迎えたことを確信しました。
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