夫の不倫が発覚した際、夫と離婚するのではなく、夫婦関係を続けるために夫と不倫相手を別れさせたいと考える方は多いようです。
しかし、夫や不倫相手と直接話し合いをしても、別れてもらえる可能性は低いでしょう。
この記事では、夫と不倫相手を別れさせる方法や注意点について詳しく解説します。
1.裁判で夫と不倫相手を別れさせることは可能か?
「裁判をすれば、夫と不倫相手を強制的に別れさせることができるのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、裁判で夫と不倫相手を別れさせることは非常に困難です。
裁判で夫と不倫相手を別れさせるためには、不貞行為をやめるよう「差止請求」を行うという方法が考えられます。
差止請求とは、自分の権利が侵害される急迫性の高い場合に、相手の行為をやめさせる請求です。
ただし、この請求が認められるためには、「放置すると急迫的に権利が侵害され、早急に権利を守る必要がある」という要件を満たす必要があります。
不倫された妻側に、夫と不倫相手を強制的に別れさせる権利が法律上認められているわけではありません。
そのため、裁判により権利を保全する必要性が認められる可能性は低く、差止請求で夫と不倫相手を別れさせるのは非常に困難だといえます。
2.夫と不倫相手を説得して別れさせる方法は有効か?
裁判ではなく、夫と不倫相手の良心に訴えて別れさせる方法もありますが、以下のようなトラブルに発展する可能性があるため注意が必要です。
(1)直接説得するとトラブルに発展するおそれがある
直接説得した場合、お互いが感情的になり、深刻なトラブルに発展するケースも想定されます。
当初は「夫や不倫相手と誠意を持って話し合えばわかってくれる」と思って説得したものの、不倫した夫が逆上して激しい口論になるかもしれません。
感情的になって暴力を振るう可能性も否定できません。
また、夫や不倫相手から無視されたり、夫から離婚を切り出されたりする可能性もあります。
(2)親や知人に説得を頼むと事態が深刻化するケースもある
夫と不倫相手を別れさせるために、親や知人に説得を頼んだ場合、さらに問題が深刻化するリスクがあります。
自分の親に頼めば、娘のために夫を説得してくれるかもしれません。
しかし、親は愛情を込めて育てた娘を裏切って不倫をした夫を許せず、激しい口論となるケースも想定されます。
さらに、親が娘の夫を信用できなくなり、娘に離婚を勧める場合もあるでしょう。
また、不倫相手の夫に説得を頼んだ場合は、深刻な事態に発展するおそれがあります。
妻の不倫を知らなかった夫は動揺し、不倫した妻を激しく責め立てて暴力行為に及ぶ可能性もあります。
3.示談交渉により夫と不倫相手を別れさせる方法
夫と不倫相手を別れさせるためには、不倫当事者に「相手と付き合えば不利益を被る」という自覚を促す必要があります。
その方法の一つが、示談交渉です。
示談交渉を有利に進める方法や、示談交渉で夫と不倫相手を別れさせるコツについて説明します。
(1)法律の専門家である弁護士に依頼して示談交渉する
弁護士に依頼して、不倫相手と示談交渉を行えば、夫と不倫相手を別れさせられる可能性が高くなります。
示談交渉では、不倫をされた妻と不倫相手とが直接話し合い、示談条件を決定できます。
しかし、交渉が思うように進まなかったり、不倫相手が約束を破ったりするおそれもあるでしょう。
そのため、法律の専門家である弁護士が不倫相手との交渉役となり、夫と別れさせるための手続きを進めます。
示談交渉では、主に以下のような示談条件を取り決めていきます。
- 不倫関係を解消し、不倫相手が二度と夫に近づかないと約束する(接触禁止条項)
- 接触禁止条項に違反した場合、妻は夫の不倫相手に違約金を請求できる
- 不倫相手が示談条件を守るなら、妻は不倫相手を許し、慰謝料請求や慰謝料請求に関する訴訟の提起をしない
不倫相手側は、慰謝料請求される事態を回避できるので、示談を受け入れる可能性は高いです。
示談交渉で取り決めた内容は、示談書に記載されます。
示談書は2通作成し、当事者双方が1通ずつ保管します。
(2)接触禁止条項を必ず記載する
接触禁止条項とは、示談後、不倫相手が夫と接触することを禁止する条項です。
直接顔を合わせるだけではなく、電話、メール、LINE、SNSなどによる一切のやり取りを禁止します。
夫と不倫相手の職場が同じ場合は、仕事の都合で顔を合わせなければいけないケースも想定されます。
このような場合は「プライベートでの接触を禁じる」等の条項を追加し、柔軟に対応しましょう。
なお、接触禁止条項を不倫相手に遵守させるため、違約金条項として、違反した場合の違約金も設定します。
違約金の設定額は100〜200万円程度が相場です。
4.裁判上の和解で夫と不倫相手を別れさせる方法
不倫相手に対して慰謝料請求訴訟を提起した後でも、裁判上の和解に持ち込めば、夫と不倫相手を別れさせることが可能です。
裁判上の和解を有利に進める方法、裁判上の和解で夫と不倫相手を別れさせるコツについて説明します。
(1)裁判上の和解とは?
裁判上の和解は、慰謝料請求訴訟等の民事訴訟が係属している間、裁判期日において当事者間で和解を成立させる方法です。
訴訟当事者の方から裁判官に「和解で解決したい」と提案することもできますし、裁判官が和解を勧める場合もあります。
和解協議をする際、不倫相手に夫との接触禁止を認めさせることも可能です。
(2)裁判上の和解で相手を納得させるコツ
裁判上の和解で、不倫相手に夫との接触禁止の条項や、接触禁止に違反した場合の違約金条項を認めさせるには、慰謝料の減額・免除を条件にするとよいでしょう。
和解協議である以上、示談交渉と同様に不倫相手の同意がなければ和解は成立しません。
しかし、不倫相手は、高額な慰謝料(数百万円に上るケースが多い)を請求され、頭を抱えているはずです。
また、夫と性行為をした事実が証拠(画像や動画など)として提出されていれば、裁判所から慰謝料の支払いを命じられる可能性は非常に高くなります。
原告である妻側から、慰謝料の減額・免除を条件に和解の提案があれば、不倫相手は和解に応じることでしょう。
5.別れさせ屋工作により夫と不倫相手を別れさせる方法
示談交渉や裁判上の和解以外にも、「別れさせ屋」に依頼し、夫と不倫相手を別れさせる方法があります。
別れさせ屋工作の手法について具体的に説明します。
(1)別れさせ屋工作とは
別れさせる工作とは、「別れさせ屋」という専門的なノウハウを持つ業者が夫と不倫相手との関係に亀裂を入れる工作のことです。
別れさせ屋は、探偵業を行ってきた方々が、調査経験や話術・情報収集能力などを活かして行っているケースが多いです。
別れさせるための工作を行う際は、別れさせたい相手に合わせた工作員を選定します。
また、綿密な情報収集により、相手の性格を把握し、不倫に関しての不満を確認しながら、最適な工作方法を実行していきます。
(2)別れさせ屋の工作の手法
別れさせ屋による工作の手法は、主に以下の3つが挙げられます。
- 行動調査・情報収集を行う
- 心理誘導による工作
- 新たな工作員の介入による工作
それぞれの手法について説明します。
①行動調査・情報収集を行う
別れさせ屋に依頼をした場合、工作員は別れさせる対象者である不倫相手の性格のほか、日常の行動や交友関係、趣味・興味・関心事等の情報を徹底的に収集します。
依頼者が不倫相手の情報をある程度知っている場合は、相談の際に工作員へ報告しておきましょう。
調査の手間が省け、次の工作活動を迅速に進められます。
不倫相手の情報を収集したうえで、どのような工作が効果的なのかや、不倫相手に自然な形で接触できる環境やタイミングを探っていきます。
②心理誘導による工作
工作員が不倫相手へ接触を開始し、人間関係の構築を行いつつ、不倫中の夫との関係に亀裂を入れる手法です。
不倫相手の行動調査・情報収集を行った後は、工作員による別れさせ工作を開始します。
例えば、不倫相手が通うスポーツジムに潜入して友人になるなど、自然に接触をはかります。
不倫相手とコミニケーションや交流を持つ中で、その心理状況を把握し、交際相手(夫)に対する不満を利用しつつ、2人の関係に亀裂を入れていきます。
例えば、不倫相手が工作員に気を許して、以下のような不満を漏らす場合もあるでしょう。
- 恋人との結婚を希望しているが、何かと理由をつけて結婚してくれない
- 自分と会うのは性行為が目的のように感じる
- 自分の誕生日や記念日の当日に会えない
現在の不満に関する情報を入手できた場合、内容を掘り下げて不満を増長させることが可能です。
また、特に不満がない場合は、不満を植え付ける工作の実施や、交際相手に対する不満を感じるよう、新たな工作員を出会わせることもあります。
新たな工作員との交流で、交際相手と別れたいと思わせる心理状況に持っていきます。
③新たな工作員の介入による工作
心理誘導による工作を実行後、工作対象である不倫相手に、交際相手に対する不満を抱かせるよう、新たな工作員を出会わせる手法です。
新たな工作員には、交際相手との関係を破綻させる役割があります。
新たな工作員の介入による工作は、主に2つの方法のいずれかを実施します。
- 友人工作:友人として接近し、不倫中の人物との関係が不毛であると、対象である不倫相手にわからせる工作の実施
- ハニートラップ:魅力的な異性を接触させ、意識や関心を工作員の方に向かわせる工作の実施
工作員が言葉巧みに誘惑するハニートラップが成功すれば、不倫相手の気持ちを自然と交際相手から離れさせ、別れさせる方向に誘導することも可能です。
ただし、ハニートラップを行った工作員が不倫相手から離れた後、元の交際相手との関係が戻る可能性もあります。
このような事態を避けるため、友人工作により、不倫関係がいかに不毛であるかを自覚させて別れさせるという手法をとる場合が多いです。
まとめ
この記事では、夫と不倫相手を別れさせる方法や注意点について解説しました。
法的な手段により、夫と不倫相手の関係を解消させるという方法もありますが、示談や裁判上の和解による解決は、夫との関係に亀裂が入る可能性もあるので注意が必要です。
法的な手段に頼らず、自然な形で別れさせたい場合は、プロに頼ることをおすすめします。
復縁屋・別れさせ屋を専門とするハートリンクでは、長年の探偵業務を通じて培った経験と心理学の専門知識を併せ持つスタッフが、依頼者様のご不安な気持ちに寄り添いながら、ご希望や状況に適した提案をさせていただきます。
「依頼をするべきか迷っている」「不倫をした夫とやり直せるか不安」などというご相談にも対応しておりますので、一人でご不安な気持ちを抱えずにお気軽にご相談ください。
\ 秘密厳守!24時間受付中です! /