特殊工作:アルコール依存の妻を立ち直らせたい

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Ryōma

ハートリンク課長

復縁屋・別れさせ屋業務に於いては依頼者の気持ちに寄り添うことが不可欠だと考えている。特に弊社の扱う復縁に関する問題では、依頼者が抱える感情の複雑さに共感し、丁寧な対応が求められる。業界歴20年という自身の経験を活かし、困難な状況にいる人々を支えることにやりがいを感じている。

目次

ご相談

依頼者様(40代男性)は、奥様との関係修復を目的として弊社にご相談に来られました。
現在は離婚には至っておらず同居中ですが、奥様の飲酒が続いており、家庭内での会話がほとんどない状態が続いているそうです。
以前、奥様はアルコール依存症の治療を受けていたものの、思うような効果が得られず、現在は通院をやめて自宅で過ごす時間が増えていると伺いました。

依頼者様は、奥様を責める気持ちはないとお話しになりながらも、「どう接していいのか分からない」と強い戸惑いを口にされていました。
また、「仕事を理由に家庭を顧みなかったことが原因かもしれない」と、自身の行動を振り返る言葉も多く見られました。
奥様に対して怒りを抱くというよりは、むしろ「自分のせいでこうなったのではないか」という自責の念が強く感じられました。

現在の家庭では、依頼者様ができるだけ奥様に干渉しないようにしており、「好きにさせている」という状況が続いていると伺いました。
奥様の飲酒量や時間帯についても、依頼者様は「よく分からない」とお話しになり、
声をかけても反応が薄く、会話を続けられないことに寂しさを感じているようでした。

依頼者様は、過去にも何度か奥様に歩み寄ろうと努力されたそうですが、
そのたびに気まずい空気になってしまい、結果として距離が広がってしまったとお話しされていました。
「自分が変わらなければ」との思いを持ちながらも、どのように関係を立て直せばよいのかが分からず、
八方ふさがりの状態になっていることが見て取れました。

ご相談時点では、奥様が飲酒に至った経緯や、現在の心境については依頼者様も明確には把握されておらず、
「何がきっかけだったのか分からない」という点が最も大きな不安となっているご様子でした。

面談・提案

面談では、依頼者様からさらに詳しくお話を伺いました。
対象者との現在の関係について尋ねたところ、同じ家にいながらも会話がほとんどなく、必要最低限の言葉しか交わさない状態が続いているとのことでした。
話しかけても返事が短く、表情からも感情が読み取りにくいため、依頼者様は「同じ空間にいるのに、どんどん遠くなっているように感じる」とお話しになっていました。

以前は家事や食事などを通じて自然に会話があったそうですが、最近は対象者が台所に立つことも少なく、依頼者様が食事を用意するなど、生活の役割も徐々に変化していると伺いました。
こうした変化が、依頼者様にとって大きな戸惑いになっているようでした。

この面談を通して、対象者がどのような生活リズムで日常を過ごしているのか、また、どのような環境で気持ちを保とうとしているのかが見えていないことが、現状の大きな問題であると判断しました。
現時点では、対象者が飲酒に至る明確な理由は確認できておらず、依頼者様ご自身も「何がきっかけだったのか分からない」と話されています。

弊社では、まず対象者が【アルコールに走ってしまった原因】が何であるかを把握するのが先決と考えました。
そこで依頼者様に対象者の大体の行動パターンを伺いました。
依頼者様の話によると、対象者は週に数回、近所のスーパーへ買い物に出かけるとのことでした。
その情報を基に、女性工作員が近隣に出入りする設定を取り、偶然の出会いを装って接点を作る流れを提案しました。挨拶から始まり、短い会話を重ねながら人間関係を築き、対象者が心を開くまで時間をかけて接触を進める計画です。

また、依頼者様には、対象者への直接的な助言や感情的な言葉を控えていただくようお願いしました。
同居中であるからこそ、わずかな言葉でも相手の受け取り方によっては圧力になるため、まずは【これまで通り安心していられる空間】を保つことを優先していただくようお伝えしました。
対象者が変化を見せるまでは焦らず、静かに見守る姿勢を続けていただくことが大切であると説明しました。

依頼者様は「できることがあるならやりたい」と前向きな姿勢を見せられており、弊社としては今後の調査結果をもとに、対象者の心理的な背景を整理した上で、依頼者様の行動改善につなげる方向で進めていく方針を共有いたしました。

調査・工作の開始

調査員の確認によると、対象者は週に数回、近所のスーパーへ短時間の買い物に出かけていました。
外出時間帯は昼過ぎから午後にかけてが多く、同じ曜日・時間帯に行動が重なる傾向が見られました。
酒類の陳列棚に向かう頻度は想定通り高く、依存状態であることは間違いなさそうでした。
この行動パターンを踏まえ、30代の女性工作員を「近所に引っ越してきた主婦」という設定で配置し、買い物の際に自然に接点を持てるように準備を行いました。

初回の接触は、スーパーの野菜売り場での軽い挨拶から始まりました。
当初、対象者は人付き合いに慎重な様子で、会話も短く切り上げる傾向が見られましたが、数度の偶然を重ねていくうちに表情が和らぎ、天気や料理の話題に応じるようになりました。
3回目の接触では、対象者の方から「この辺り、静かで暮らしやすいですよね」と声をかけられる場面もあり、人間関係の入り口が形成されたことを確認しました。

その後も工作員は、週に1〜2回の頻度で買い物や立ち話を重ねながら信頼関係を構築しました。
ある日の会話で、工作員が対象者の買い物かごの中を一瞥して「旦那様お酒好きなんですね」と質問すると、対象者から「家ではお酒をやめられないのは私なんです」との話があり、「家族に心配をかけたくないから隠れて飲んでしまう」とも話されました。
この発言を受け、工作員は共感を示しながら話を傾聴し、決して否定せず、安心して話せる関係を維持しました。

数回目の接触で、対象者は自身の過去について語る場面がありました。
「息子が反抗期の頃からうまくいかなくなって」という言葉のあと、しばらく沈黙されたのちに、「子どもの育て方を間違えた気がする」「夫は仕事を頑張ってくれていたのに、私は息子をちゃんと育てられなかった」とお話しになりました。
この内容は工作員が現場で直接聞き取ったものであり、弊社ではこの発言をもとに、飲酒の背景には【母親としての自責と夫への引け目】が関係している可能性があると考えました。子供が1人とのこと子育ても反抗期も初めてで精神的につらかったのでしょう。

以降の接触では、工作員が対象者に対し、反抗期は「多くの家庭で起こる自然な時期」であること、「一時的な衝突を経て、親子関係が落ち着いていく例も多い」という一般的な話題を交えながら、対象者が過去を否定的に捉えすぎないよう誘導やアドバイスを行いました。
この会話の流れの中で、対象者が少しずつ表情を和らげ、自分を責めるような言葉を減らしていった様子が報告されています。

また、この段階で得られた情報を依頼者様にも共有し、対象者が抱える「母親としての負い目」に焦点を当てながら、家庭内での関わり方を見直すようお伝えしました。
具体的には、依頼者様が息子さんとの時間を意識的に作り、家庭内で「母親としての役割を再び担える環境」を整えるよう提案しました。
依頼者様はこれを受けて、食卓での会話を増やしたり、息子を含めた家族との外出を増やすなど、家族内の雰囲気づくりに努めるようになりました。中でも非常に効果があったのは依頼者様が職場に在宅許可を認めてもらえたことでしょう。これにより家族が揃っている時間が増えたのが大きかったと思われます。

この段階では、対象者の飲酒が減少したという報告には至っていませんが、工作員の観察では、会話の中で笑顔が見られる頻度が増え、以前よりも人との接触に前向きな印象が見られるようになりました。
弊社では、これを対象者の心理的安定の兆候と捉え、今後の方針としては、家庭内で安心感を再形成する段階に移行できると判断しました。

結末

以降も一定期間の接触と報告を重ねたのち、依頼者様から「最近は家の中が落ち着いてきた」との連絡をいただきました。
対象者の外出時の様子や生活リズムも安定しており、以前のように一日中酒を飲むことはなくなったとのことです。
夕方には家事をこなす姿も見られ、家庭内の雰囲気に明るさが戻りつつあると報告を受けました。

依頼者様ご自身も、弊社からの助言を受けて家にいる時間を意識的に増やし、家族で食事をとる時間を大切にするようになったとお話しになりました。
これまで仕事を優先してきた生活を見直し、「今まで全部任せきりにしてごめん」と素直な言葉を対象者に伝えたところ、少し驚いた様子で穏やかな反応が返ってきたそうです。
この報告を受けた際、依頼者様の声には、家族として向き合える時間が戻りつつあるという実感が感じられました。

その後も対象者の様子は安定しており、工作員の報告では、買い物の際にも表情が明るく、人と会話を交わす姿が見られるようになりました。
飲酒に依存していた頃とは違い、家庭内での役割を少しずつ取り戻している様子がうかがえます。
弊社では、これらの変化をもって「心理的安定と家庭内関係の再構築が進行している」と判断しました。

今回のケースでは、対象者の問題を依存症として直接解決するのではなく、その背景にあった孤立と自責感を軽減することで、自然と行動が変化していきました。
依頼者様が家庭に関わる姿勢を変えたことで、対象者にとって「安心して存在できる場所」が再び生まれたことが大きな要因と考えられます。
結果として、夫婦間の信頼関係がゆるやかに修復され、家庭としての基盤が再び整いつつあります。

本案件は一定の成果を確認したため一旦終了としましたが、依頼者様の希望により、現在も工作員が定期的なフォロー接触を続けています。先日は対象者様にお招きいただき依頼者様の自宅に伺ったとのことでした。
今後も家庭の安定が維持できるよう、必要に応じて経過観察を継続していく予定です。

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